脊柱管狭窄症について

脊柱管狭窄症とは?

トンネルのような空洞の「脊柱管」が狭くなるのが「狭窄症」

脊柱とは人間の体を支えている背骨のことをいいます。

背骨は1本の骨が伸びているのではなく、いくつもの骨が積み木のように重なってできています。

1つひとつの骨を椎骨椎体といい、人間の背骨は首にあたる部分は7つの頸椎、胸部は胸椎、腰には5つの腰椎、合計24の椎骨で成り立っています。

椎骨は椎体、棘突起、椎孔などで構成され、椎骨と椎骨の間には「椎間板」があります。

椎間板は弾力性のある軟骨組織で衝撃を和らげるクッションのような役割を果たしています。

「あれ?脊柱管はどこにあるの?」

そう思いましたか?

脊柱管は椎孔が積み重なってできたトンネルのような空洞です。椎孔というのは椎骨に空いた穴。脊柱は椎骨が積み重なってできていますから、椎孔も重なり、トンネルのようになるのです。

このトンネルの中には脳からの命令を手足に伝える運動神経、痛い・冷たいなどの情報を脳に伝える知覚神経が通っています。

トンネルが狭くなるとなかを通る神経が圧迫され、命令や情報がうまく伝わらず、歩行困難や痛みシビレが発生するわけです。

では、なぜ脊柱管が狭くなるのでしょうか?

加齢や椎間板の劣化、黄色じん帯の肥厚などが原因

脊柱管が狭くなる理由として、最初に挙げられるのは加齢です。ほとんどの人が年齢を重ねると脊椎が変形して、脊柱管も狭くなっていきます。

一種の老化現象と言えるかもしれません。そして、老化で狭くなった脊柱管をさらに狭くし、神経を圧迫する原因となるのは「椎間板の劣化」「黄色じん帯の肥厚」「腰椎すべり症」などです。

まずは「椎間板の劣化」からご説明します。椎間板は水分を含み弾力性のある組織ですが、加齢で水分が減少すると硬くなり、衝撃を吸収しにくくなります。

そこで重い物を持ち上げたり、重労働で腰に負担をかけすぎたりすると後部に飛び出して脊柱管のなかの神経を圧迫し、痛みやシビレなどの症状を起こします。これが「椎間板ヘルニア」です。

次に「黄色じん帯の肥厚」ですが、黄色じん帯は椎弓と椎弓をつなぐ繊維状の組織で、これが分厚くなると背後から脊柱管を圧迫します。

椎間板の水分が減少すると、腰椎が不安定になり、それを補強するためにじん帯が肥厚すると考えられています。

「腰椎すべり症」は、椎骨と椎骨が前後にずれる病気で中高年以上の女性に多い病気です。

すべり症の原因ははっきりとはわかっていませんが、私自身は腸腰筋の硬さによる「そり腰」が原因で、骨がすべると考えています。

すべり症は、ずれた椎骨が脊柱管を狭くするのです。

特に腰椎の脊柱管は狭くなりやすく、一般的に脊柱管狭窄症といえば、腰部脊柱管狭窄症のことを指します。

ここまで、脊柱管狭窄症の原因を説明しました。

休憩しないと歩き続けれない「間欠性跛行」が典型的な症状

では、脊柱管狭窄症が引き起こす症状についてお話ししましょう。

代表的な症状は「間欠性跛行」です。

ちょっと言葉が難しいですね。どんな症状か具体的に説明します。歩きはじめてしばらくすると足に痛みやシビレが出て歩けなくなり、座ったり、腰をかがめたりするとまた歩けるようになるという症状です。

休まず歩ける距離や時間は、狭窄症の重症度により異なります。数百m歩き続けられる人もいれば、せいぜい100mがやっとという人もいます。

背中を丸めるように休憩すれば症状が緩和するワケ

歩きだしてしばらくしてから痛みを覚えても、少し休めば、また歩ける症状です。

なぜなら、脊柱管狭窄症は、腰を伸ばして反りかえると、脊柱管が狭くなり神経が圧迫され、つらい症状が出るのです。

前かがみになると、脊柱管が広がり神経の圧迫がゆるみ、つらさが緩和されます。また、血流もよくなるのでシビレも改善され、少しラクになるのです。

ですから、歩きはじめて症状が出ても、背中を丸めるようにして休憩すれば症状が緩和して、また歩けるようになるというわけです。患者さんの中には腰を伸ばして歩くとつらいが自転車なら大丈夫とか、前かがみになってカートを押して歩けば大丈夫とか、そんな人もいます。

脊柱管狭窄症の手術、満足度はわずか20%

股関節や膝の手術は、人工関節があるので手術をして満足している方が多いですが、腰・脊柱の手術は人工関節がないので、とても満足度が低いです。

ですが、安心してください。

当院は脊柱管狭窄症専門の整体院です。手術をせずに痛みやしびれを改善させることに自信があります。

脊柱管狭窄症と関係が深い腸腰筋

実は、脊柱管狭窄症の大きな原因となっているのが、「腸腰筋」の凝り固まりです。

腸腰筋は、腰椎と太ももの骨である大腿骨を結ぶ「大腰筋」、骨盤内部と大腿骨を結ぶ「腸骨筋」で構成されています。腸骨筋と大腰筋のセットで「腸腰筋」です。

体の表面から触れられる筋肉ではなく、奥にある筋肉、いわゆるインナーマッスルと呼ばれる筋肉です。

この筋肉は姿勢を保ち、歩くときには足を前に出したり、股関節から前屈したり、膝を持ち上げたりする動作を行うのに重要な筋肉です。

デスクワークなどで長時間座っている姿勢が続いたり、運動不足になったりすると、この腸腰筋が硬くなります。それも縮んだ状態で固くなってしまうのです。

腸腰筋が凝り固まると、脊柱管をより狭くする

背骨の脊柱管は、もともと腰を反らすと狭くなる性質があります。

人間は歩くときには腰を伸ばして(反らして)歩きますので、脊柱管狭窄症の方は腸腰筋が凝り固まってしまうと余計に腰を反って歩くことになり、脊柱管をより狭めてしまいます。

ご年配の方は、猫背になっているので「反り腰」と聞くとイメージしにくいですが、脊柱管狭窄症の方は、まっすぐ立っているだけで腰椎には反る力が働いています。

腸腰筋を当院独自の整体でほぐすことで、腰椎の反る力が弱くなり、脊柱管を広げることができます。その結果、痛みやしびれを改善することができます。

少し動くだけでも痛いのは「腰椎のねじれ」が原因

ねじれというのは、椎骨(うしろの棘突起)が10度の傾きにも満たないほど、左右どちらかにねじれているという状態です。

これはレントゲンを撮っても映りません。レントゲンでは椎骨と椎骨の隙間や前後のずれは推測できますが、ねじれまでは判断できません。

しかし、私が触診で背骨を両手ではさんで上から下になぞると、腰椎のあたりで背骨が右か左にねじれているのがわかります。

腰椎のねじれが原因の症状なのに、消炎鎮痛剤や薬、注射やリハビリなどの療法を施しでも(一時には症状はよくなっても)、すぐに痛みやシビレがぶり返してしまうでしょう。

では、症状を軽くするにはどうすればいいでしょう?

答えは簡単です。

ねじれを元に戻せばいいのです。

実際に、腰椎のねじれを確認できた患者さんにそれを正す施術(無痛で安全)をすると徐々にまっすぐになっていき、症状もよくなっていきます。

腰椎のねじれが下肢への「関連痛」を引き起こす原因に

腰椎のねじれは腰にあるのに、足にも痛みやシビレが出る理由は「関連痛」にあります。

痛みが患部だけでなく周辺にも伝わるのが、関連痛です。痛みの原因は腰椎にあるのに、この関連痛によって腰から下肢にかけての痛みやシビレも出ているのです。

なぜ他の整体やマッサージでは改善できないのか?

ほとんどの整体やマッサージでは、痛みやしびれの原因を

  • 筋肉のコリ・筋膜の癒着
  • 背骨や骨盤の歪み

と考えて施術することがほとんどですが、

施術した後は血流が一時的に良くなるので少し楽になって、また元の状態に戻るということがほとんどです。

改善できない理由は、腰椎のねじれや腸腰筋の深部のこり固まりにアプローチできていないからです。

※腸腰筋はインナーマッスルでお腹の中にある筋肉なので、表面からのマッサージや筋膜リリース、ストレッチでは深部のこり固まりは改善できません。

西住之江鍼灸整体院